4月といえば、入園・入学・新生活。
初めての園生活に期待半分・不安半分の保護者さんも多いのではないでしょうか?
新しい環境で大好きなパパママと離れて不安いっぱいで大泣きする新入園児は毎年とても多いです。
泣いているのは新入園児ばかりではありません。
昨年度までは泣いていなかった進級児が泣き始めることも、、、。
「毎日毎日、いつまで泣くの?」
「こんなに泣かせてまで預けていいの?」
「昨年度まで泣いてなかったのに、なんで泣くの?」
仕事復帰などで、ただでさえ気ぜわしくなっているのに、我が子の泣いている姿を見ると、心が折れてしまいそうになりますよね。
子どもが泣いて登園する時、その対処法が実はいくつかあります。
- 『泣く=ダメなこと』という思い込みを捨てる
- 慣らし保育は可能であれば長く設定する
- 笑顔で見送り、笑顔でお迎え
- 園の先生にお任せする!
この記事を読むと、保育現場のリアルがわかり、安心して子どもを園に送り出せるようになります。
まずは『新入園児』『進級児』『新入園児の保護者』『進級児の保護者』の4月のそれぞれの姿を見てみましょう。
『新入園児』『進級児』『新入園児の保護者』『進級児の保護者』の4月のそれぞれの姿
『新入園児』の4月の姿
入園まで家庭の温かさにに包まれて育ってきた子どもたち。
4月、園では初めての集団生活が始まります。
- 生活リズムの変化
- 家庭と園との切り替えの難しさ
- 自分の思い通りにならない不安さ
さまざまな困難を乗り越えながら、園生活に慣れていきます。
不安で泣いていた子どもも、時間がたてば泣きやみ、少しずつ落ち着いてきます。
落ち着くまでには個人差があるので、降園時間までずっと抱っこで泣き続ける子どもや、1年間泣きながら登園した子どももいました。
個人差はありますが、たいていは登園後何かきっかけがあれば泣き止んで遊び始めます。
また、子ども達はお互いに影響しあうことが多く、泣き止んでいても他の子どもが泣いているのを見て泣き始めることも多々あります。
『進級児』の4月の姿
進級するタイミングで泣き始める子どももいます。
- クラス(場所や友だち)や担任が変わって不安
- 兄姉が進学し、一緒に登園出来なくなって不安
環境の変化は、先を見通す力や時間の感覚などが未発達な子どもにとって、大きなストレスになります。
ただ、昨年度までは楽しく通っていた経験があるので、慣れてくると自然と泣かなくなることがほとんどです。
『新入園児の保護者』の4月の姿
不安な子どもの保護者は、やっぱり不安なパターンが多いです。
- 我が子の泣いている姿を見るのが辛く、後ろ髪をひかれながら子どもとバイバイする。
- 子どもに泣きつかれ、なかなか離れられない。
- 心配そうに見送り、心配そうに迎えに来る
子どもにとって初めての園生活は、保護者にとっても初めてのこと。
泣きじゃくる我が子を見て、罪悪感さえ抱いてしまう保護者は多いです。
実際、「ここまで泣く我が子を見ると、申し訳なく思う」との相談は、毎年のように保護者から聞きます。
いつまで泣くのか保護者も見通せず、週明けや長期休暇明けは保護者もしんどそうだなと感じることが多いです。
『進級児の保護者』の4月の姿
昨年度まで泣いてなかったのに、、、と戸惑う方が多いです。
- 「前のクラスの方がよかった」という想いが見え隠れする。
- 子どものトラブルに敏感に反応する。
子どもは保護者の気持ちを敏感に感じ取っています。
保護者の不安な気持ち、不満な想いは、子どもにも影響することが多々あります。
園では子どもとの信頼関係を結ぶことが大切ですが、実は保護者と信頼関係を結ぶことが、子どもを理解する上で近道であることが多いです!
入園・進級後のトラブル対処法
1.『泣く=ダメなこと』という思い込みを捨てる
『泣く=ダメなこと』と思っている方は多いのではないでしょうか?
「泣いているのは可愛そう」
「泣き止まさなきゃ」
子どもはなぜ『泣く』のでしょうか?答えはその時々で違います。
- 登園時に泣いている→『保護者と一緒にいたいのに、バイバイしなくちゃいけないのがさみしい』『朝の支度の時に何かがあって悲しい』
- 友だちとのやり取りで泣いている→『おもちゃを取られて(貸してもらえなくて)悲しい』『一緒に遊びたいのに入れてもらえなくて悲しい』
『泣く』という行動は、子どもの想いがかなわず、その気持ちをうまく言葉で表現できない場合に見られることが多いです。
園では泣いている子どもがいたら、その前後関係を見てなぜ泣いているのか予測した上で「○○だから悲しいんだね」と、まず子どもの気持ちに寄り添います。
その言葉が子どもの気持ちと合致すれば、自分の気持ちを言語化してもらった子どもは気持ちを切り替え、自然と落ち着くことが多いです。
もし泣き止まなければ、「泣いていてもいいんだよ」と伝えて、泣いている子どものありのままを受け止めます。
園では『泣く』ことは日常よくあることです。
園の職員は子どもが『泣く』ことに対して免疫も十分なので、過剰には反応しません。
『泣く』ことの真の理由を考えながら対処していきます。
2.慣らし保育は可能であれば長く設定する
園では『慣らし保育』の期間をとても大切にしています。
月齢が低ければ低いほど、食事やお昼寝の様子など、子どもの様子をしっかり観察していきながらすすめています。
「仕事をそんなに休めない!慣らし保育なんて必要ない!!」と言われる保護者もいるため、慣らし保育の期間を短縮したり、それぞれのステップの日程を繰り上げて早めに本保育を始めたりすることもあります。
ただ、慣らし保育を短縮することは、急な生活リズムの変化に順応できない子どもにとっては、しんどい結果になることもあります。
ですから、もし可能であるなら余裕を持った慣らし保育をおススメします。
仕事などの都合で難しいことがあるので、園と相談の上、子どもに合った慣らし保育をしましょう。
慣らし保育をゆったりと設定することで、保護者のゆとりもでき、園に慣れるのも早くなるかもしれません。
3.笑顔で見送り、笑顔でお迎え
泣きながら登園する子どもは、保護者も不安な気持ちになっていることが多いです。
『泣く』我が子を見送るのは何とも言えない辛さがありますよね。
子どもは保護者の気持ちの奥を察するようで、余計に不安になってさらに泣くという負のスパイラルに陥ってしまうことも、、。
我が子も泣きながら登園することはよくありました、、。
なかなか気持ちの切り替えができない場合は、以下の方法もおススメです。
- 「10までギュウしたらおしまい」
- 親子の合言葉を決める
- 保護者が休みでも同じ時間に登園する
数がわからない年齢の場合は、「○・○・ちゃん・だい・すき・よ」などとゆっくり言いながら抱きしめて、「○○先生にかわるよ」と抱っこをかわってもらいます。
抱っこをかわってもらったら、笑顔でバイバイしましょう。
保護者が休みであっても、慣れるまでは一定の生活リズムで登園しましょう。
いつもより遅い時間に泣きながら登園し、泣き止んでさあ遊ぼうと思ったらすぐに朝の会が始まりまた泣く、、。朝の自由遊びの時間に遊べなかったことが、後々まで引きずることも多々あります。
生活のリズムを整えるのは園だけではできないので、園としても対応に困ってしまいます。
4.園の先生に安心してお任せする!
園の先生たちは、毎年『泣く』子どもの対応をしているプロです!前述したように、『泣く』ことには免疫がありますし、職員も多いので保護者のように1人で対応しなければいけないこともなく、ゆとりがあります。
個々に合わせた『落ち着く方法』の引き出しは無限大。
どうぞ安心して園の先生に任せてください。
保護者の不安な気持ちも受け止めてくれることと思います。
不安な時は、連絡帳などで園での様子を聞いてみてもいいと思います。
番外編『お気に入りの物を持参するのは?』
おうちでのお気に入りの物が心の安定剤になっている場合、園にも持ってくる場合がありますが、登園時には親子で気持ちを切り替えてほしいと考えます。
そのお気に入りの物が他の子どもに影響を及ぼす可能性もあるからです。
どうしてもという場合は園に相談しましょう。
私の園では、持ってこられたものを保護者が持ち帰れない場合は、「他のお友達が触りたくなったら困るから、○○のお部屋で預かっておくね」と保護者の前で伝えて預かります。
人形を持参する子どもの保護者は、その人形でドア越しに「バイバイ」と少し動かしてから園を出ることもありました。
まとめ
子どもが泣いて登園する時、その対処法は以下の通りです。
- 『泣く=ダメなこと』という思い込みを捨てる
- 慣らし保育は可能であれば長く設定する
- 笑顔で見送り、笑顔でお迎え
- 園の先生にお任せする!
『泣く』ことには理由があります。
泣いている理由を解決して、笑顔で登園できるようになりますように。
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